前回の家族会に引き続き、先日、第2回の家族会を行いました。
今回は新しいご家族にも参加していただけました。
この家族会は、当施設を利用されているご家族でも、利用されていないご家族でも自由に参加して情報交換をしていただくために開催しています。
精神病の方も精神病でない方も当施設を利用されていますが、お話を伺う中でいくつかの共通点がありました。
・体力がなく、疲れやすい。
・人目が気になり、外出ができない。
・生活リズムが不規則で昼夜が逆転している。
精神病、あるいは引き篭もりで何もしていない時期が長い場合、加齢による身体能力の低下に加え、身体を動かす活動も限られます。
このため、体力がなく、疲れやすくなります。
また、他者が自分を非難しているように考えたり、他者とどう接していいか分からずに必要以上に気を使ったりして、人目が気になって外出ができなくなります。
さらに、日中、人目が気になって外に出れなくなると、やることがないために寝ていたりして生活リズムが崩れ、昼夜が逆転してしまいます。
このような流れが共通しているように感じました。
今までの利用者さんは、当施設を利用し始めた当初は、他の人と同じ空間にいることを嫌がります。
また、もの作りにも中々取り掛かりません。
さらに、家でも何もしていないことが多いです。
そこで、家でできる皿洗いなどの簡単な手伝いから少しずつ始めてもらうと、週に1回だったものが毎日できるようになっていきます。
そうなると、もの作りにも取り掛かるようになり、そこから他の人の作品に興味を持つようになっていきます。
他の人の作品に興味を持ち始めると、当施設の利用者さんは同じ作品を作っているので、それが共通の話題となり、同じ空間に他者がいても気にならなくなっていきます。
この一連の流れは、全ての人に当てはまる訳ではなく、あくまでも一例に過ぎません。
しかし、社会復帰を果たす上で、必ず、長期的に段階を踏んでいかないといけないのは全てに共通することだと思います。
なぜなら、第一に当事者が自発的に現状を何とかしようとする「自発性」が大事で、ご本人がその気になるまで待たなければなりません。
仮に、ご家族が何かを強制した場合、状況は悪化し、ますます長引きます。
第二に上記の流れには「学習」が関与していることが挙げられます。
例えば、当施設を利用し始めた当初、すぐに会話できなかったり、もの作りにすぐに取り掛かれなかったりするのも、その環境がどういう所かを学習していないからです。
また、自分が置かれている状況や問題を理解するには「気付き」が必要です。
この「気付き」は、ご本人のこれまでの経験や偶然によるもので、ご家族や周りがいくら口で説明しても、ご本人が気付かない限り、自分の問題を理解できません。
ご家族が出来るだけ早く社会に復帰させたいと願うのは当然のことですが、自発性や学習、気付きを早めることは薬でも出来ません。
ご本人が苦手とする状況や問題に対処できるようにするには、出来るだけ似たような状況を再現し、その経験を繰り返すしかありません。
もの作りを勧めると、大抵の人が「出来ない」、「面倒くさい」、「苦手」と言って拒否します。
このことから、もの作りは、ご本人が苦手とする状況や問題として再現でき、繰り返し経験できる課題として打ってつけだと思います。
しかし、社会復帰に至るまでには、長い道のりになります。
ご家族も先の見えない道のりに物凄い不安を抱えていることが、今回の家族会の話の中で知ることができました。
今後、家族会を継続していくことがご家族の不安を解消することに繋がれば良いと思いました。
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