北欧織り計測器の試作

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 現在、当施設では、複数のセンサーを用いて、革細工で刻印打ちの動作を計測しています。計測したデータはその日のうちに解析し、利用者さんと一緒にデータの変化を確認して、一喜一憂?しています。この革細工の計測以外でも動作の変化を計測できるように織物の一種である北欧織りの計測器を試作しました。織物の動作の計測は、金沢大学の関 昌家先生が織り機や竪機を利用して、既に行っています。しかし、残念ながら、関 昌家先生の生前では、当施設で行っているようなデータのフィードバックを患者さんにすることまではできませんでした。北欧織りは、当施設の代表である関 京子が今まで精神病患者さんの評価に用いてきた評価課題の一つです。北欧織りの実際の動作を動画にしたので、興味があればご覧ください。

 統合失調症では、力加減ができなくて形が歪(いびつ)になる・手順を間違えたり見本を上手く認識できなくて間違った形になるなど、病気の影響が完成した作品に現れやすいと思われます。しかし、うつ病や躁うつ病では、完成した作品には病気の影響が現れにくく、経験的ではありますが、作業工程に病気の影響が現れやすいと思われます。この作業工程に見られる病気の影響がこの織物の計測で数値化できれば良いのですが…。

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 試しに開発スタッフが計測してみると上の図のような波形データになりました。分かりにくいですが、糸をすくっている部分(紫色)とすくい板1で糸を通している部分(水色)、すくい板2で糸を通している部分(黄色)が交互に繰り返されています。今後はこれらのデータを抽出し、利用者さんも理解できるように解析しないといけません。データの抽出と解析は自動化しないといけないので、実用にはまだ時間が掛かりそうです。

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