何名かの利用者さんが皮細工の工程を終わりそうなので、次は織物に挑戦してもらうことになりそうです。
ということで、木工用の計測器より先に、織物に使用する道具の計測器化を急いで作らなくてならなくなりました。
織物に使用する道具の一つに「すくい板」というのがあり、織物を行う際に多用するので、「すくい板」を優先的に計測器化することにしました。
すくい板の動きを計測するセンサーには加速度計を使用しています。
ある一定の角度に傾けるとLEDが点灯するように設計してあるので、信号出力の確認ができます。
センサーを取り付けたすくい板と実際の動作は以下の通りです。
金沢大学の故 関 昌家先生は、うつ病の患者さんの中には織物の様な単調な動作を繰り返す作業では動きが止まり、手順が分からなくなるということを言っていました。
患者さんに動きが止まっていたことを指摘しても全然覚えていなかったそうです。
また、以前まで当施設を利用されていたうつ病の方は既に社会復帰をされたので、上記のように何かの最中に動きが止まってしまうということは確認できませんでした。
しかし、神経性疼痛のようなものがあり、皮細工に集中している間は痛みを忘れることができたと言っていました。
もの作りの課題の性質によっては、行動に与える影響も見れる変化も違うのかもしれません。
統合失調症の患者さんは、織物では必要以上に強く織る、あるいは緩く織るので、出来上がった作品がいびつになることが多いです。
また、皮細工では刻印を打つ力が強すぎて革に穴を空けてしまったり、その逆で打つ力が弱すぎて跡がつかない場合があります。
現在、木槌の衝撃を計測しており、当施設を利用されている統合失調症の方はだいぶ力加減ができるようになってきています。
この方が織物に移行した場合、力加減が上手くできるかどうかが重要になるかもしれません。
もの作りを計測することで、精神病ともの作りがどのように相互作用するのか数量化できれば良いのですが…。
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