もの作りは、基本的には革細工・織物・木工の中からいずれかを選び、模様や構造が簡単な作品から段階的に作製していきます。例えば、革細工では、小銭入れから始め、それを作成した後に眼鏡ケースへと移行します。そして、最終的にはこれまでに身に付けた革細工の技法を駆使して自由作品を作成していきます。織物・木工も同様です。
※もの作りは、症状の変化を捉えるための一つの手段であり、強制ではありません。もの作りをしない利用者さんは、当施設のスタッフや他の利用者さんとの交流の場として当施設を自由に利用されています。
革細工
革細工では、主に以下の技法を用います。
- カービング
- スタンピング
- モデリング
製作段階は以下のようになります。
- 基礎:小銭入れ・眼鏡ケース・ペン皿(小)・札入れ
- 応用:ペン皿(大)・マチ無しセカンドバッグ・化粧ポーチ
- 創造:メルヘン模様眼鏡ケース or メルヘン模様札入れ・自由作品
織物
織物では、主に以下の技法を用います。
- 北欧織り
- つづれ織り
製作段階は以下のようになります。
- 基礎:敷物1・敷物2・ポシェット1・ポシェット2・敷物3
- 応用:敷物4・敷物5・敷物6
- 創造:敷物7・タペストリー・自由作品
リサーシャでは簡単な作品から複雑な作品へ徐々にステップアップしていきます。織物では敷物1・敷物2・ポシェット1・ポシェット2とステップアップしていきます。ポシェット1・ポシェット2は、敷物1・敷物2で既に学んだ織り方を応用し、同じ柄を2枚作って張り合わせます。以下はADHDで双極性障害を併発した利用者さんのポシェット1とポシェット2です。AとBは張り合わせたそれぞれの面です。
この利用者さんの場合、ポシェット1では同じ柄の織物を作るにも関わらず、A面はオレンジ色の縦線と横線に間がなく、横線が4本です。そして、B面はオレンジ色の縦線と横線に間があり、横線が5本です。このような違いが起こった原因として、見本の図柄を注意して確認していなかったことが原因の一つとして挙げられます。
職場でも確認を怠って、似たような失敗をすることが多かったそうです。このことに気付いてから、見本の図柄を注意して確認にするようにしたところ、ポシェット2ではA面とB面が同じ図柄になっています。このように自分の問題点に気付くことで、障害が修正される可能性があります。
木工
木工では、主に以下の技法を用います。
- 手彫り
- 寄せ木細工
製作段階は以下のようになります。
- 基礎:ペン立て(小)・ペン立て(大)・犬のペン立て・状差し(小)・4つ仕切りペン立て
- 応用:コースター・デスクオーガナイザー
- 創造:小箱・状差し(大)・自由作品